ベトナム経済特区反対デモ

 前回お伝えしたベトナム政府による経済特区設置(ベトナム国内の3カ所を租借地として中国に99年間貸し与える)計画に反対するベトナム人による抗議デモが2018年6月10日、ベトナムをはじめ日本、アメリカ、フランス、オーストラリア、台湾など世界各地で行われました。

ベトナム国内のデモ


 最大のデモが行われたのは問題の渦中にあるベトナムで、南部最大の都市サイゴン(ホーチミン市)および中南部のニャチャンでも大規模なデモが実施されました。

サイゴン 6月10日 

(写真: Bạch Cúc / Facebook)

ニャチャン 6月10日 
(写真: デモ参加者提供)

 「自国の領土を中国に売るな」という国民の怒りの声に対し、ベトナム政府は機動隊及び私服警官を大量に投入してデモ隊と衝突し、多数の逮捕者が出ている模様です。逮捕された参加者にはアメリカ国籍のウィル・グエン(Will Nguyen)氏(32)も含まれ、現地で撮影された動画には、グエン氏が警察官から暴行され、頭から血を流しながら引きずられて連行される様子が収められています。そして今現在もグエン氏は拘留中であると複数の米国メディアが報じています。

 
私服警官に引きずられ連行されるグエン氏
(映像: N 10TV / Youtube)

The New York Times "American Is Detained After Joining Protest in Vietnam"
https://www.nytimes.com/2018/06/14/world/asia/will-nguyen-vietnam-american-protest.html

Time "American University Student Arrested in Police Crackdown on Protests in Vietnam"
http://time.com/5311943/vietnam-arrests-american-student-will-nguyen/


東京で行われたデモ


 同日日本でも、約250名の在日ベトナム人が全国から東京に集まり、抗議デモを行いました。デモ隊は「我々の神聖な領土を守ろう」、「ベトナムの国土はベトナム国民の決定権に委ねよう」と書かれた横断幕を先頭に新宿中央公園を出発し、代々木公園、そして代々木のベトナム大使館前まで行進を行いました。








  日本における今回のデモは、若者世代のベトナム人人権活動グループと、日本に住むベトナム難民系団体が合同で呼びかけたもので、デモには研修生や留学生として来日した若者から、70~80年代にボートピープルとして来日した中高年まで幅広い世代が集まり、ベトナムの未来のために団結して反対の声を上げました。
 これまで日本国内で行われるトナム政府に対する抗議活動と言えば難民系団体よるものに限られましたが、近年はベトナム人研修生や留学生の増加から若い世代の意識も高まり、特に今回はデモ参加者の半数以上が20~30代の若者でした。



 中には研修生として来日し、決して楽な生活ではない中、デモに参加するため北海道や福岡から東京に赴いた若者もいました。彼らの多くが、国民を欺き、言論を封じ、中国資本の利権目当てに国土を売る現社会主義政権を心から軽蔑しており、ベトナム共産党の独裁政権に対し真っ向から反対しています。これは言論の自由が保障された日本国民が行うのとは比べ物にならないほどベトナムではリスクの伴う行為です。
 これは祖国の未来を案ずるベトナムの若者たちの勇気と誠実さの証ですが、同時にそのようなリスクを覚悟してでも国民が行動を起こさざるを得ないほどに、ベトナムは危機的な状況にあるという事も意味しています。

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