良心の囚人に捧げるクリスマス・チャリティー

 先日、日本で活動するベトナム人権活動グループ 青い海forベトナム(Aoi Umi for Vietnam)様、および世界最大の人権監視団体ヒューマンライツウォッチ様共催のクリスマス・チャリティー・パーティーにお招き頂きました。
 パーティーの収益は、ベトナム政府による非道な弾圧によって逮捕され、現在『政治犯』として投獄されている100名を超える人々、良心の囚人たちを支援し、その解放を働きかける活動に充てられます。



 彼ら良心の囚人の中には、著名なブロガーである『マザー・マッシュルーム』ことグエン・ゴック・ニュー・クイン(Nguyễn Ngọc Như Quỳnh)さんや、私の個人的な友人でもあるグエン・ベト・ズン(Nguyễn Viết Dũng)も含まれています。
 ズンは2015年に街路樹の保護を訴えるデモに参加したところ逮捕され、『公共秩序騒乱』で有罪判決を受けて12ヶ月間も投獄されました。さらに釈放後、ズンは2017年9月に『反国家宣伝』の疑いで再び逮捕され、現在は弁護士を付ける事も許されず裁判開始まで公安による厳しい取り調べ(という名の虐待)を受けています。

参照:BBCニュース (http://www.bbc.com/vietnamese/vietnam-41424498)


以下、主催の青い海forベトナム 水野ザカット氏による会式のお言葉です。

 “僭越ながら、青い海グループの代表として、今日のベトナムにおける人権活動家と、今現在、服役中である、人権活動家のためのチャリティ活動に対しまして、皆様のご参加を心より感謝を申し上げたいとと思います。
 私たちは、この2017年、ベトナム政府から一部の国民への大きな弾圧、そして中部地方での海洋環境汚染、及び魚の大量死フォルモサ事件、また、土地をめぐる政府当局と住民が衝突したドン・タム事件、そして不正集金、BOT Cai Lay事件などを通じた国民の怒りの揺るぎない声を目撃したことをきっかけに、本日の議題とさせていただきました。
 人権は人類共通の守るべき価値です。しかしながら、アメリカ政府の2016年のベトナムの人権に関する最新の報告書によると、「ベトナムで最も顕著な人権問題は、人々の政治的権利、特に自由かつ公的な投票権を厳格に禁止していることである。一般市民の会合と表現の自由の権利に対する制限、および市民権の保護が不十分である」との見解を述べました。
 ベトナム政府は、言論の自由を無視し、抗議をする者を投獄し、共産党と違う他の政党に「テロリスト」のレッテルを貼ろうとしています。
 ベトナム国民が恐怖のため、何もしないときでさえ、依然として国民のために立ち上がり、戦った英雄たちは、ベトナム政府に逮捕され、厳しい懲役刑を宣告されました。
 人権には思いやりがあり、そして、その逆もあります。私たちは、すべての人々のために基本的人権をその国のどこにいても実現されるべく、私たちは願望しております。
 このたびは、多くの方々の協力のもと、本日の機会を設けることが出来ました。2018年の新年が皆様にとってより意味のある年になりますように希望しております。
 本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。ご清聴ありがとうございました。”

 またヒューマンライツウォッチ日本代表の土井香苗先生からは、次のようなお言葉を頂きました。

(撮影: Aoi Umi for Vietnam - Biển Xanh cho Việt Nam)

 “ベトナムで人権のために立ち上がった英雄の人たちが100人以上も今、捕まって獄中にある。ヒューマンライツウォッチとして、そして私個人としても本当に許せない事だと思います。
 その獄中にある100人以上の人たちを救うために、アメリカの政府、あるいはヨーロッパの政府などもベトナムの政府に「この人たちを釈放しなさい」と言ってくれています。
 もし日本の政府も、政治犯を釈放しなさいと言ってくれれば、ベトナムの政府は耳を貸すのではないかと思っています。日本の政府はベトナムに対してとても大きな影響力があります。
 ですので来週、青い海の皆さんと一緒に日本の外務省に行って、この政治犯の為に、日本の外務省もベトナムの政府に、「政治犯を釈放しなさい」と言って下さい、とお願いをしに行きます。とても期待をしています。”

 世界で最も影響力を持つ人権団体の日本代表者からのお言葉は、会の参加者だけでなく、日本やベトナム、そして世界中に住むベトナムの人々を必ずや勇気づけるものだと思います。
 そして会場で述べられた通り、土井先生と青い海のホアン・テイ・ラン氏らは12月22日に東京の外務省を訪れ、アジア大洋州局南東アジア第一課長の斉田幸雄氏との会合で、ベトナムにおける人権問題の実情と日本政府による働きかけの重要さを訴えられました。


 青い海の発表によりますと、その会合で斉田課長は、「私たちはベトナムの民主化という共通の目標を持っています。日本の外務省としては、在日ベトナム人の方々の声をお聞きする用意があります。」と述べ、双方が協力関係を維持し、情報交換を継続してくと約束しました。(引用: Aoi Umi for Vietnam - Biển Xanh cho Việt Nam)


 当日、パーティー会場では参加者のお嬢さんが、手作りのクッキーを配ってくれました。袋には一枚一枚手書きで、現在ベトナムで収監中の人々の名前が記されています。


『nhớ đến (忘れない)』

 私は幸いにも、日本という言論の自由が保障された国に生まれたために、政治や社会に対して自由に発言する事が出来ています。しかしベトナムの様にそうではない国々では、人間として正しい事、国民として当たり前の要求を口にする事ですら、人生を掛けた大変な戦いなのです。
 このクッキーの一つ一つには、彼ら真にベトナム国民の幸福を願って勇気を振り絞った人々への感謝と愛情が込められています。

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