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講演会「ベトナムの現状と今後の民主化運動」

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去る6月30日、東京市ヶ谷にて、アジア自由民主連帯協議会様主催の講演会「ベトナムの現状と今後の民主化運動」が開催されました。

 開催にあたり、最初にアジア自由民主連帯協議会事務局長の三浦小太郎氏より、大阪で開催されたG20にあわせ、日本在住の香港・中国・モンゴル・ウイグル人らによる習近平中国国家主席に対する抗議デモが行われた事の報告がありました。

映像:アジア自由民主連帯協議会/Youtube


次に本講演会のテーマ「ベトナムの現状と今後の民主化運動」について、ベトナム革新党グエン・ハー・キエン・グオック氏より講話が行われました。



映像:アジア自由民主連帯協議会/Youtube

 内容についてはアジア自由民主連帯協議会様のページ「グエン・ハー・キエン・グオック氏講演「ベトナムの現状と今後の民主化運動」報告」に要約が掲載されておりますので、そちらも併せてご覧下さい。

 また筆者(森泉)も、グオック氏からお誘い頂き、ベトナムの民主化運動を応援する日本人の一人として講演に参加させていただきました。


映像:アジア自由民主連帯協議会/Youtube

 こういった場でお話しをさせて頂くのは初めての事でして、緊張で話がしどろもどろになっておいります。お恥ずかしい。
 当日使用したスライドのPDFファイルはこちらからご覧になれます。

搾取腐敗大国ベトナム ベトナムの暗部に飛び込んだ日本人として伝いたい事

 また当日は時間の関係で紹介する事が出来ませんでしたが、私のFacebookに寄せられたベトナム国内の若者の声(このブログで過去に掲載)をまとめたものも以下のリンクからお読みいただけます。

ベトナムの若者の声


 最後に、アジア自由民主連帯協議会会長を務められている、チベット出身のペマ・ギャルポ博士よりお話を頂きました。


 映像:アジア自由民主連帯協議会/Youtube


 この後グオック氏と私は、ベトナム大使館での抗議に参加する予定があったため、皆様より一足お先に退席させて頂きました。ご拝聴頂いた皆様、お集まりいただきありがとうございました。またアジア自由民主連帯協議会様も、このような貴重な機会を与えて下さり、本当にありがとうございました。また機会がありましたら、ご一緒させて頂ければと存じます。


ベトナム大使館にてフック首相への抗議 この講演会が開催された日はちょうど、G20で来日し…

6月19日

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ベトナムの民主派ブロガーグエン・ヴェト・ズン(別名ズン・フィー・ホ)は1986年6月19日に生まれました。彼の生まれた日は私と一日違うだけであり、またその日はベトナム共和国軍記念日でもあります。なので私は彼に親近感を感じ、2015年に彼が逮捕されるまで時々話をしていました。
 今日、彼は刑務所の中で33歳の誕生日を迎えました。今のところ彼を助けるために私にできる事は何もありませんが、せめて彼が健康でいてくれること、そしてズンを含む、祖国ベトナムへの愛と良心から、自らの自由と引き換えに悪しき権力を批判し、今も獄中にいる100名以上の良心の囚人たち全員が、一日も早く自由の身になる事を、遠く離れた日本から祈っています。

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ゴールデンウィーク中の二日間

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国祖記念祝賀会の打ち上げ


 先日執り行われた日本在住ベトナム人協会主催ベトナム国祖記念祝賀会の打ち上げ反省会が都内のベトナム料理店で開催され、私もお呼ばれしたのでお邪魔してきました。ベトナム戦争を経験した難民世代から、留学生・技能実習生として来日した若者まで、幅広い年代がこうして集まり語り合える場は、とても大切なものだと思います。


日本在住ベトナム人協会会長宅訪問
 打ち上げの翌日、日本在住ベトナム人協会会長カン氏の自宅にお邪魔して、生春巻きを食べながら、ベトナム戦争時代のお話をいろいろと聞いてきました。

 1968年のテト攻勢の際、フエ市を占領したベトコン(解放民族戦線)は約5,000名のフエ市民を地中に生き埋めにして殺害する虐殺行為を行いました。当時大学生だったカン氏はボランティアとしてその虐殺事件の犠牲者の遺体掘り起こし作業に従事し、ベトコンが行う『抗米戦争』の正体を目の当たりにします。

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 その翌年、カン氏は政府軍(ベトナム共和国軍)に士官候補生として志願入隊し、陸軍中尉として1975年まで軍務に就きました。終戦時は、スァンロクから撤退してきたレ・ミン・ダオ少将麾下の混成部隊とビエンホアで合流し、その指揮下に入りましたが、反攻は叶わずその地で無条件降伏の知らせを受けたそうです。終戦と同時にカン氏は共産主義政権に逮捕され、6年間も収容所に投獄され強制労働を課せられた後、難民として国外に脱出して最終的に日本に定住されました。

 またカン氏の友人のハイ氏はベトナム戦争当時はまだ子供でしたが、その頃経験した出来事を語って下さいました。ハイ氏は当時ファンティエットに住んでいました。ベトナム戦争中、ベトコンゲリラはしばしばファンティエット市役所を狙ってB-40(RPG-2)無反動砲を発射するテロ攻撃を行っていましたが、B-40は命中精度が悪いため、発射された砲弾のほとんどは市役所を外れて付近の民家に落下していました。ハイ氏の自宅はファンティエット市役所の横にあったために、計2発が自宅に着弾し、壁に大穴を開けたそうですが、幸い家族に怪我人は出なかったそうです。
 しかし、そうではない人もいました。ハイ氏には近所に住む2歳年上の仲の良い友達がいました。1968年2月のテト攻勢最初の夜、彼は親戚のおばさんの家に泊まりに行って…

ベトナム国祖記念祝賀会

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4月14日、日本在住ベトナム人協会が主催する『ベトナム国祖記念祝賀会(Lễ Quốc Tổ Hùng Vương)』が東京都大田区で開催され、私も去年に引き続き参加してきました。 【国祖記念祝賀会とは?】 Lễ Quốc Tổ Hùng Vươngは直訳すると『雄王国祖祭』となります。雄王(フンヴウン)とは、紀元前2897年から紀元前257年までの約2600年間に渡って現在のベトナム北部に存在したとされるベトナム最古の(半伝説的な)王朝『文郎(ヴァンラン)国』を治めた歴代の国王の称号であり、その文郎国を興した初代雄王=涇陽王(キンズンヴウン)はベトナムを建国した国祖として神格化されています。そしてその初代雄王の命日である黄歴(旧暦)3月10日は雄王国祖祭とされ、ベトナムの建国を記念する日として、ベトナム民族の重要な祝日とされています。
 これを日本で例えれば、神武天皇と建国記念の日に当たるもので、その為、雄王国祖祭を日本で開催するにあたっては意訳として『ベトナム国祖記念祝賀会』や『ベトナム建国記念日』が当てられています。

【当日の流れ】先祖礼拝式日本国歌・ベトナム国歌斉唱開会の挨拶乾杯の音頭立食パーティー催し物(カラオケ・サックス演奏・ダンチャイン(ベトナム琴)とギターの演奏/歌唱・ボビナム演武・ビンゴ大会)閉会 当日の様子は日本在住ベトナム人協会によりライブ中継されました。

撮影: Le Thien / 日本在住ベトナム人協会

開式にあたり、国祖雄王(涇陽王)およびベトナム五千年の祖先の霊への礼拝が行われました。

【開式の挨拶】 ※動画は日本語訳部分のみを抜粋したものです。

実行委員長 日本在住ベトナム人協会会長 グエン・フォン・カン氏
来賓 アジア連帯委員会(CSA)事務局長 鈴木氏


実行委員長 カン氏の言葉(抜粋)
「この先祖礼拝の式典は、祖国には威厳のある歴史があったこと、そしてその文明が四千年も途切れずに存在した事を次の世代の子や孫に伝承する役割があります。たとえ現在のベトナムが多くの困難や試練の中にいたとしても、私たちは過去の歴史や起源を思い出し、それにふさわしく生きていかなければなりません。特に母国を離れて暮らす私たちの次の世代には、祖国の歴史や伝統を知ってもらう事で先祖への誇りを持ち、また自分自身のアイデンティティーを忘れないで欲しいと願ってい…

ホーチミン市当局 カトリック難民街を強制立ち退き

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今、ホーチミン市(旧サイゴン)市6区の一角にあるロックフン菜園(Vườn Rau Lộc Hưng)という住宅街に住んでいた124世帯150名以上の住民たちが、当局の暴政によって強制的に立ち退きを迫られ、家屋を破壊され、路頭に迷っています。

画像: Hoang Vu / Facebook
 このロックフンでは住民の100%がカトリック信徒であり、彼らは元々、ベトナム北部に住んでいた人々でした。第一次インドシナ戦争中(1946-1954)、ホー・チ・ミン率いるベトミン/ベトナム共産主義勢力はキリスト教・カトリックをフランス帝国主義勢力と見なし、同じベトナム人であっても見境なく迫害・虐殺していました。さらに1954年にベトミンが戦争に勝利し北ベトナムにホー・チ・ミン政権が成立した事で、北ベトナム領からはカトリックを中心とする約100万人のベトナム国民が難民として南ベトナム領へと避難しました。

フランス・アメリカ軍による北ベトナム難民移送計画『自由への道作戦』の様子 (1954年)
南ベトナムの首都サイゴン郊外に設置された北ベトナム難民キャンプ (1954年)
 ロックフンの住民は全員、この時南ベトナムに避難したカトリック信徒とその子孫であり、彼らはパリ外国宣教会(MEP)が所有するロックフンの土地に60年以上、何世代にも渡って居住してきました。

強制執行前のロックフン菜園 画像: TRANG TTĐTTH CỦA CÔNG TY VIETNEWSCORP 

 土地所有に関する現ベトナム政府の通達(1999年)では、「1993年10月15日までに係争なく土地を所有していた者」は合法的に土地を所有できると定められています。ところが近年、ホーチミン市の再開発事業が加速し、地価が高騰すると、各地で当局による土地の強制接収・住民の強制立ち退きが横行しています。70年以上に渡って法の支配が存在せず独裁政権が続いているベトナム社会主義共和国では、地方から国家レベルまで政府当局者は権力を利用して私腹を肥やす事しか考えておらず、開発業者と共謀してあらゆる手段で地上げを行い、再開発の利権を欲望のままに貪っています。
 そして今回も、ロックフンに高層マンションを建設する再開発計画が持ち上がると、ロックフンに住んでいた124世帯の住民たちには土地の所有権はおろか居住権すら認められず、ホーチミ…

私とベトナム 2018年

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2018年も終わりが近づき、この一年を振り返ってみると、今年はいつになくベトナム関連で新しい出会いがたくさんあり、とても勉強になった一年でした。1月から順に振り返ってみます。

2018年1月 日本在住ベトナム人協会の「新年のつどい」に参加。  アオザイ着てチェー(ぜんざい)売りをお手伝い。 https://watching-vn.blogspot.com/2018/02/blog-post.html
2月 日本在住ベトナム人協会の元旦節(テト・グェンダン)新年会に参加
新年会の翌週は、埼玉県内のカトリック教会で開催された元旦節のお祭りにもお招きいただきました。

マウタン1968(テト攻勢)犠牲者追悼式典に参加 https://watching-vn.blogspot.com/2018/03/196850.html
3月 東京 雑司ヶ谷霊園にあるチャン・ドン・フオンのお墓を参拝。
ここは日本を訪れた愛国的ベトナム人が必ず詣でる、ベトナムと日本の歴史的接点です。


【チャン・ドン・フオンの墓について】 明治時代、フランスからの独立を目指し抗仏闘争の活路を求めて日本に渡ったファン・ボイ・チャウ、クォン・デらは、ベトナムの学生を日本に留学させる東遊(ドンズー)運動を開始します。チャン・ドン・フオンはその東遊運動によって来日した学生のリーダー格の一人であり、特にクォン・デが弟のように寵愛していた人物でした。しかしフランスは日本政府に対し、ベトナム人留学生(フランスにとっては反乱分子)の送還を求め、日本政府もフランスとの関係を優先してこれを受け入れ、不法滞在の容疑で全ての留学生に国外退去を命じます。ファン・ボイ・チャウ、クォン・デらも日本から第三国に脱出せざるを得ず、これにより東遊運動は瓦解します。チャン・ドン・フオンはこの日本の裏切りに加え、資金援助の頼みを父に無視された(実際にはフランス側が書簡を差し押さえており父には届いていなかった)事に絶望して1908年に東峯寺境内で首つり自殺します。当時ベトナム人留学生は清国人と身分を偽らざるをえなかったため、フオンの遺体は無縁仏として雑司ヶ谷霊園に埋葬されました。このお墓は後年、日本に帰還したクォン・デがフオンのために改めて建立したものです。 

 4月 テレサ先生の講演までお花見
https://watching-vn.blogspo…

Human Rights Fair 2018 Tokyo

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今年は世界人権宣言が国連で採択されてから70年の節目という事で、12月10日の世界人権デーに合わせ、日本在住ベトナム人協会が主催する「Human Rights Fair 2018 Tokyo」が2018年12月15日に東京都内で開催されました。
 いまだベトナム共産党独裁政権による国民への凄惨な弾圧・人権侵害が続くベトナムにとって、人権の保護・尊重は何よりも重要かつ緊急性の高い課題であり、会には技能実習生や留学生、永住者など多くの在日ベトナム人が訪れ、ベトナムにおける人権問題の現状について話し合いました。

[関連記事]
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良心の囚人の解放を求めるハンガーストライキ ファム・ミン・ホアン教授 良心の囚人 グエン・ベト・ズン裁判
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良心の囚人に捧げるクリスマス・チャリティー

[関連リンク]
Vietnamese Political Prisoner Database
ヒューマン・ライツ・ウォッチによる安倍総理への書簡「ベトナムの人権問題について」

会場に張り出されたベトナム国内で投獄されている良心の囚人たちの一部。現在も100名以上の人々が、政府による国民への人権侵害や腐敗を告発したために、政治犯として不当に投獄されいます。
シンポジウムに先立ち、昼に行われた交流会では食事会やボビナム(ベトナム格闘技)の演武、体験、書道体験、日本に住む青年が書いた本の出版祝いが行われました。
シンポジウム開会式では在日ベトナム人の有志らにより、人権問題の改善を願う歌やギター演奏が披露されました。
 今回のシンポジウムには、現代ベトナムの政治を研究する大東文化大学の中野亜里教授がゲストとして参加し、他のベトナム人講演者と共にパネルディスカッションを行いました。



 日本人にとって、ベトナムという国やベトナム人は、かなり身近になったように思えます。しかし、ベトナムの歴史や社会については、知られていない部分も多いのではないでしょうか。現在、日本に住むベトナム人は30万人近くに上り、外国人としては中国人、韓国人に次いで3番目に多いと言われています。にもかかわらず、ベトナムの人々がどのような背景から出国し、どのような事情を抱えて日本に住んでいるのかについては、まだ理解が進んでいないように思われます。
 日本のメディアでは、中国の人権問題については時折…