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ヒューマンライツウォッチら 首相補佐官にベトナム人権問題への理解を求める

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日本在住ベトナム人権団体 青い海 for Vietnamの発表によると、ヒューマンライツウォッチジャパンおよび青い海の代表団は7月11日、自民党の柴山昌彦衆議院議員と会談し、昨今ベトナムで問題となっている経済特区計画サイバー治安法の問題について説明を行いました。柴山議員は現・内閣総理大臣補佐官、自民党筆頭副幹事長という日本政府の要職にある人物であり、メディアではほとんど報道されていない人権問題に関するベトナム国民の生の声について、日本国民・日本政府が注目するきっかけになればと期待されます。

画像: Aoi Umi for Vietnam / Facebook (https://www.facebook.com/aoiumiforvietnam/posts/1072682302895021)
 会談で代表団は、日本政府はベトナム政府に対し率先してベトナムにおける人権問題と市民の声、法の支配の重要性を強調し、そして日本政府はベトナム政府だけではなくベトナム国民の声に耳を傾ける必要があると訴えました。
 柴山議員はこれに対し、政府に抗議した人々へ加えられている暴力による弾圧と、ベトナム国民が自由を奪われている現状について強い懸念を表明するとともに、ベトナムにおける人権擁護と市民運動をすぐさま支援する旨を代表団に伝えました。
 日本政府はこれまで幾度もヒューマンライツウォッチや青い海からベトナムにおける人権問題の深刻さについて意見を聞き、その都度理解を示してきたものの、現ベトナム政府との協力体制を重視し、具体的な行動に出る事はありませんでした。
 今回、首相補佐官の立場にある柴山議員が公式に支援を表明した事について、青い海は「これは日本の重要なポストにある政治家によってベトナムの人々への支援が行われる最初の、かつ積極的なステップになる」とし、「我々は柴山議員に感謝するとともに、彼の先見性、清廉さを称えるものである」と賛辞を送っています。

 現在、日本政府はベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席を国賓として招待するなど、かつてないほど経済・防衛の面で現ベトナム政府と関係を重視していますが、そのせいで逆にベトナム政府が国民に対して行っている弾圧について見て見ぬふりを続けています。

参考:ヒューマンライツウォッチ 日本:ベトナムに人権尊重を求めるべき
https://www.…

ベトナム経済特区・サイバー治安法抗議デモ

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先日ベトナム経済特区法案への抗議運動が世界各地で行われた事をお伝えしましたが、その翌週の6月17日には、その経済特区法案に加え、新たにベトナム国会で可決されたFacebookやYoutube等インターネット上における言論を取り締まる『サイバー治安法』に抗議するため、約100名の在日ベトナム人が東京の渋谷駅周辺および代々木のベトナム大使館前でデモ行進を行いました。


 昨今ベトナムでは長年続くベトナム共産党独裁政権の暴政に対する国民の不満が噴出していますが、ベトナム国内のテレビや新聞などのマスメディアは政府の厳重な統制下にあり、政府による情報統制の手段と化しています。
 そんな中で唯一政府による統制を受けない情報インフラとして現在重要な役割を担っているのがFacebookです。政府に批判的な言動が厳しく取り締まられるベトナムにおいて、昨年のフォルモサ問題や今回の特区法案など国民による大規模なデモが実施できたのもFacebookを通じた呼びかけによるところが大きかったようです。
 しかしベトナム政府はこれに危機感を覚え、このような国民からの批判を政策の是正ではなく、言論の非合法化と暴力によって押さえつける事に終始しています。そしてベトナム政府はこの度、言論統制を一層強化するため、Facebook等インターネット上における市民の言論活動の非合法化をより一層進めるサイバー治安法を新たに成立させました。

[サイバー治安法の詳細]
ヒューマン・ライツ・ウォッチ「インターネットの自由を規制する抑圧的な法案を国会が近く採決」

 この時代錯誤の言論統制に対し、世界的なベトナム民主化運動政党であるベトナム革新党(ベトタン)日本支部は抗議デモの実施を呼びかけ、全国から約100名の在日ベトナム人が集まりました。
 ベトタンは元々ベトナム戦争の敗北によって消滅した旧ベトナム共和国(南ベトナム)系難民らによる政治団体でしたが、現在ではかつてベトナム共和国政府転覆を目指し血みどろの闘争を繰り広げた解放民族戦線や北部のベトナム共産党員の子息として現政権下に生まれた若い世代も多く所属しており、出身・世代の垣根を超えたベトナム民主化運動の旗手として活動を続けています。実際に今回のデモも、参加者の約半数は現在の社会主義体制下で生まれ育った若者たちでした。
 1975年の終戦以降、現政権は旧ベトナム共和…

ベトナム経済特区反対デモ

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前回お伝えしたベトナム政府による経済特区設置(ベトナム国内の3カ所を租借地として中国に99年間貸し与える)計画に反対するベトナム人による抗議デモが2018年6月10日、ベトナムをはじめ日本、アメリカ、フランス、オーストラリア、台湾など世界各地で行われました。

ベトナム国内のデモ
 最大のデモが行われたのは問題の渦中にあるベトナムで、南部最大の都市サイゴン(ホーチミン市)および中南部のニャチャンでも大規模なデモが実施されました。

サイゴン 6月10日 
(写真: Bạch Cúc / Facebook)
ニャチャン 6月10日  (写真: デモ参加者提供)
 「自国の領土を中国に売るな」という国民の怒りの声に対し、ベトナム政府は機動隊及び私服警官を大量に投入してデモ隊と衝突し、多数の逮捕者が出ている模様です。逮捕された参加者にはアメリカ国籍のウィル・グエン(Will Nguyen)氏(32)も含まれ、現地で撮影された動画には、グエン氏が警察官から暴行され、頭から血を流しながら引きずられて連行される様子が収められています。そして今現在もグエン氏は拘留中であると複数の米国メディアが報じています。

私服警官に引きずられ連行されるグエン氏 (映像: N 10TV / Youtube)
The New York Times "American Is Detained After Joining Protest in Vietnam"
https://www.nytimes.com/2018/06/14/world/asia/will-nguyen-vietnam-american-protest.html

Time "American University Student Arrested in Police Crackdown on Protests in Vietnam"
http://time.com/5311943/vietnam-arrests-american-student-will-nguyen/


東京で行われたデモ
 同日日本でも、約250名の在日ベトナム人が全国から東京に集まり、抗議デモを行いました。デモ隊は「我々の神聖な領土を守ろう」、「ベトナムの国土はベトナム国民の決定権に委ねよう」と書かれた横断幕を先頭に新宿中央公園…

ベトナム政府の中国租借地計画

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現在ベトナム政府がベトナム国内の三ヵ所の土地を、経済特区という形で主に中国企業に対し99年間貸し出す計画を進めています。中国の国際法や他国領土への態度を考えれば、99年という期間は事実上、それらの土地を永遠に割譲するに等しく、ベトナム共産党政権は中国資本の利潤目当てに、ついに自国の領土まで中国に売り渡そうとしてると多くのベトナム国民に受け取られています。  これにはベトナム国内外の民主派だけでなく、生活を守るため政府に逆らう事をためらってきた一般市民も一斉に怒りの声を上げています。すでにベトナム国内ではSNSを通じて、計画への反対を表明する運動が全土で巻き起こっています。

 しかし今日に至るまでベトナムに民主主義は存在せず、民意を反映させるための選挙も存在しないため、このままではこの経済特区計画はハノイの密室で決定され、絶対的な国家権力の下に実行される可能性が高まっています。  そんな中、約30万人のベトナム人研修生・留学生が住むこの日本でも、この計画に反対する大規模な抗議デモが計画されています。以下、すべての在日ベトナム人に向けた主催団体の呼びかけです。

 現在ベトナムの国会では、ベトナム国内のヴァンドン、バックヴァンフォン、フーコックの3ヵ所に経済特区を設け、これらの土地を事実上の租借地として中国に99年間も貸し出す計画について議論が進められています。この3特区設置はベトナム国民にとって、百害あって一利なしの計画です。したがって私たちはこの計画が実行されるのを防ぐため、抗議デモを行います。私たち、祖国の未来を案ずる在日ベトナム人は皆さんに、共にこの計画に反対し、デモに参加して頂くようお願いします。 日時:6月10日(日)午前9時 集合場所:新宿中央公園 〒160-0023  東京都新宿区西新宿2-11 条件:特定の政治体制、党派、または国家を象徴する旗やシンボルを持参しないこと。黄色または赤色の服を着用しないこと。  Hiện nay quốc hội đang họp để thông qua dự thảo lập 3 đặc khu kinh tế tại Vân Đồn, Bắc Vân Phong và Phú Quốc . Xét thấy việc lập 3 đặc khu này lợi ít hại nhiều. Vì vậy chún…

チャン・ダイ・クアン国家主席来日抗議デモ

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ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が5月29日から6月2日まで日本を訪問しています。これに合わせ、日本在住のベトナム難民とその家族、ベトナム革新党(ベトタン)、および青年民主化運動グループ日本在住愛国ベトナム人共同体などが、5月30日に東京赤坂の迎賓館前で抗議デモを行いました。  私もベトナムの民主化とベトナム国民の幸福、日越の真の友好を願う一人の日本人として、このデモに参加させて頂きました。  クアン国家主席は半世紀に渡ってベトナム国民を弾圧し続けているベトナム共産党の現最高権力者であり、現在も続く残忍な人権蹂躙の最高責任者でもあります。昨年不法に逮捕・国外追放処分を受けた元ホーチミン工科大学教授ファム・ミン・ホアン氏を取材しましたが、そのホアン氏への弾圧も、国家主席であるチャン・ダイ・クアンその人による命令で実行されました。  またデモでは、開発の名目で多数のベトナム国民が立ち退き強いられ、ベトナム政府幹部への賄賂とも化している日本政府によるODAの停止を求める横断幕も掲げられました。
 今回、日本政府はチャン・ダイ・クアン国家主席を国賓として迎えており、そのために我々は日本の警察から、大きな声を上げてはいけない、垂れ幕を掲げてはいけない、旗を振ってはいけない等、到底民主主義国家におけるデモとは思えないような制限を受けました。  日本政府は独裁国家の独裁者を国賓として守り、民主国家で民主化を求める市民の声を抑えつけたのです。ベトナム政府の非道は昔からの事ですが、日本政府までもがベトナムを経済的に利用するために、その非道を間接的に擁護してしまっている事は、日本国民として非常に悲しいですし、憤りを覚えます。



 デモの後、在日ベトナム革新党はライブ配信で参加者にインタビューを行いました。私もインタビューを受けましたが、こういうのは馴れていない為あまり上手く話せなかったので、下に日本語・ベトナム語に文章化したものを掲載します。



 日本政府が今のベトナム政府の人間をこのように丁重にもてなすのは仕方のない事だと思います。今の政府な訳ですから。しかし、今のベトナム政府は決して国民に選挙で選ばれた訳ではありません。その政府がやっている内容を見れば、それは決してベトナム国民の為の政府ではなく、一部の共産党の特権階級の為の政府だというのは明らかです。日本政府はただ単にベト…

テレサ・チャン弁護士来日

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近年目覚ましい経済発展を遂げているベトナムですが、その陰で長年に渡って改善される事なく、最も深刻な問題としてベトナム国民を苦しめ続けているのが、ベトナム共産党政権による国民への弾圧、人権蹂躙です。
 以前取り上げたフォルモサ問題をはじめ、ベトナムでは政府の暴政によって国民の権利が脅かされる事態が多発しており、またその腐敗した体制に対し抗議をおこなった多数の市民が「反国家宣伝」などの容疑で逮捕され、今もなお100名以上の人々が「政治犯」として投獄されています。
【関連記事】
良心の囚人
グエン・ベト・ズン裁判 近年最悪の言論弾圧: 人権ブロガーに禁錮10年
 このベトナム政府による国民へのテロルに真っ向から立ち向かい、真のベトナム国民の幸福を目指して戦っている人物の一人が、ベトナム系オーストラリア人の弁護士テレサ・チャン・キウ・ゴック(Teresa Trần Kiều Ngọc)先生です。
 テレサ先生は刑事事件専門の弁護士としてオーストラリアの法曹界で活躍する傍ら、世界各地を周ってベトナム本土の人権問題と在外ベトナム人コミュニティに関する講演活動を行っておられます。

アメリカ サンノゼ (2016)
https://www.youtube.com/watch?v=Y9iBMrd64NM
カナダ モントリオール (2017)
https://www.youtube.com/watch?v=ylGd3sdwsMg
フランス パリ(2017)
https://www.youtube.com/watch?v=cd7OFTJUHRc
オーストラリア シドニー 世界青年人権会議 (2017)
https://www.youtube.com/watch?v=L9cDK1Pgk6o

東京講演会 2018年4月、テレサ先生は日本在住ベトナム人コミュニティからの招待を受け初来日し、東京・姫路・大阪の三都市で講演会を開催されました。東京での会場となったのは千代田区のニコラ・バレ修道院で、こちらの教会では定期的にベトナム人神父がベトナム語でミサを行っているため、東京在住のベトナム人カトリック信徒の憩いの場となっています。
 講演にはベトナムの人権問題に関心を持つ若いベトナム人留学生・研修生が大勢集まり、また'70~80年代の政変・弾圧によって祖国を離れざるを得なかった元ベトナム難民とそのご家…

美作市ホーチミン像に世界のベトナム難民団体が抗議

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【過去記事】
美作市のホーチミン像問題 
【続報】美作市ホーチミン空間問題

 これまでも当ブログでお伝えしてきましたが、昨年11月に美作市が同市の作東文化芸術センターに設置した『ベトナム・ホーチミン空間』に対し、地元の美作市民と共に、世界中のベトナム系市民団体も反対の声を上げています。

 既に美作市民の間では展示の中止を求める署名運動が行われ、およそ2,000名分の署名が市に提出され、市議会でも複数の市議が展示に反対したと聞きおよびます。地方都市である美作市の人口を考えれば、2,000という数字は決して少なくはないでしょう。また市議の先生のお話では、美作市民の大多数はこのホーチミン空間に反対、もしくは無関心であり、積極的に設置に賛成している市民はほとんどいないとの事でした。しかしその民意は萩原市長には届かず、市民の税金を使ってホーチミン空間の設置が強行されます。

 その後、この事実はネットニュースで世界中に拡散し、ホーチミンの行ったテロや戦争、戦後のベトナム政府の暴政によって苦しめられた人々に深い悲しみと憤りをもたらす結果となりました。
 まず米国在住のベトナム難民コミュニティ『自由ベトナム人連盟(Liên Mạng Người Việt Tự Do)』が、2017年12月29日付けで美作市に対し、抗議とホーチミン空間の撤去を求める請願書を提出しました。

SBTN: Liên Mạng Người Việt Tự Do gửi kháng thư yêu cầu dỡ bỏ tượng Hồ Chí Minh ở Nhật
https://www.sbtn.tv/lien-mang-nguoi-viet-tu-do-gui-khang-thu-yeu-cau-do-bo-tuong-ho-chi-minh-o-nhat/

 そして2018年1月からは、展示の撤去を求める世界規模の署名運動が開始され、4月までに日本国内外合わせて8,000名を超える署名が寄せられています。

Protest against installing the statue of Ho Chi Minh at Mimasaka, Japan
Yêu Cầu Xóa Bỏ Biểu Tượng Hồ Chí Minh Trong Viện Bảo Tàng Sakuto, Thành Phố Mimasa…